東京公演(10/20ソワレ@青山劇場)

2週間前に始まったこの舞台。東京では残すところあと1日なんですね。一緒に走りきった感覚は、まあほとんど無いんだけど(苦笑)、いつの間にか過ぎ去ってしまった感じとでもいいますか。
でもね、何というか…言葉にするには私の少ない語彙では表現しきれないんだけど、今日はのめり込んで観てしまいました。
そもそもこの舞台って、のめり込ませることを「恥ずかしいこと」として極力排除しようとしている作りですよね。*1。だからこそ、一緒に走っていると思えるほどの感覚を今まで覚えることが出来なかったわけで(苦笑)*2
そういう舞台の作りに乗っかるように、サリーとクリフの2人にも、のめり込める何かが足りなかったような気がするんだけど*3、いや〜、今日の2人にはびっくりするくらいのめり込んでしまいました。
えっと、ここからは多分色々ネタバレになると思うので畳みますね。





サリーの膝にすがり付いて、甘えた声を出すクリフ。
クリフを見つめる惚れ薬を飲んだかのようなサリーの視線。
絡み合う恋情の眼差し。
罵りあう哀しい言葉の応酬。
サリーの決意。そして歌。
サリーの裏切り、クリフの憤怒と諦め。そして少しの期待。
砕かれた期待と、哀しいプライド。
夢との別離。


この全てが、ぐっと心に迫ってきました。
男と女。向かい合うこと、委ねあうことの難しさと切なさ、そして哀しさ…。掴まれるよ!ぐぐっと…!
ああ、キャバレーってサリーとクリフの物語なんだな、と。今更ながら感じ取ることが出来たような気がします。
サリーの最後の歌で、MCの茶々が入るんですが*4、ここがとても邪魔に思ったほど決意に溢れた歌唱だったと思います。松雪さん、凄い。ほんとに良かった…。
部屋を出て行くクリフの背中…。そして、その姿を見ずに精一杯の強がりを浴びせるサリーの哀しさ…。切なくて堪らなかった。
ラスト。センターに立ち竦むクリフの揺れる眼差しを見てたら、キレイ過ぎて泣きそうになりました。


明日は東京楽。またのめり込ませてもらえることを信じて…明日を待ちたいと思います。

*1:感情が盛り上がったところで挟み込まれるギャグ、とか

*2:多分、私が単純すぎて深く読み取る能力が足りないってのもあると思います

*3:いや、もちろん毎回楽しんで観てますよ?

*4:先輩…って呟くところ