纏うもの

彼がこの3ヶ月の間に見せてくれたふたつの役柄をつらつらと考えてみたのです。
エネルギーのベクトルがまるっきり逆方向の「エドガー」と「白い人」。
エドガーは、常にその身体の内側からエネルギーを放出し続けていました。獣としての荒々しい本能も、苦悩する人間としての感情も、そのすべてにおいて物凄いエネルギーを四方八方に。観ているこちら側が気圧されるほどの迫力で、ただただ放ち続けていたのです。
そして、今回の白い人。人々のエネルギーを眺めつつ、その体温(色)をたまに確認してみたりはするけれど。基本的には、ただそこに存在するだけの温度(色)の無い存在。血や汗や涙といった、身体に流れているはずの液体が全く感じられない、不思議な人の形をしたモノ。


凄いなぁ…と思うのです。
その存在が纏っている「何か*1」。それをしっかりと感じさせてくれる森山未來っていったいなんなんだろう?と。
綿密に構築し創り上げているのか、もしくはその時の役柄をただ感じるまま真っ直ぐに表現しているだけなのか。
どちらにしても、やっぱり凄いなぁ…と。


テクニカルな技術だけでは伝わらない「何か」を、こちら側に届けてくれる表現力。それが彼の真骨頂なんじゃないかな…と勝手に思ってるわけです。


んーー、褒め過ぎ?(笑) ま、いっか。


とにもかくにも、これがある限り彼を追い続けてしまうんだろうな(笑)。
さて、次はメタルマクベス。たくさんのベテラン俳優に混じって、いったいどんなモノを纏ってみせてくれるのか?今からとても楽しみです。

*1:それをオーラと呼ぶのかもしれない