神戸公演総括。(3/11マチソワ・3/12マチソワ@新神戸オリエンタル劇場)


さて。何から書きましょう(笑)。
とりあえずですね、思いっきりネタバレになっちゃうと思うので
ここから先は隠しますね。




というわけで。
土日マチソワの4公演分、それぞれひとつずつのレポは無理っぽいので全部ごった煮でいかせていただきます。
私なりの解釈なのでこれが正解とは限りません。ご容赦を…。

  • まずはプロローグ
    • ダンサーさんたちが舞台上で歩いたり踊ったりしてる中、いきなり上手ソデ1.5mくらいの高さからびょんっと白い人(未來さん)が現れます。白い衣装*1に銀髪、お肌ももちろん白い、まさしく白い人(笑)。銀髪部分は右側のほうがよりアッシュっぽい色になってました*2。半キンパの名残り(色の違い)を感じてみたり。
    • 白い人は道行く人々の落とした光にじゃれついたり、その光を懐に仕舞ったりしてます。群舞の横を優雅にすり抜けつつ、自分もくるりと回ったりタップを踏んでみたり…。なんだかとっても楽しそう。
    • 雨に降られた少女が木(佐竹先生)の下で雨宿り。
    • 最初は舞台奥のベンチに横たわり、興味無さそうにしていた白い人。木がもたらした一滴の水から、溢れ出す知識の泉。これを今まで足りなかった1ピース(靴)として表現してるのかな?
    • 靴を手に入れ、踊りだす青い人たち。由巳さんのダンス、大好きです。目がどうしても由巳さんを追ってしまう…。その中に嬉々とした表情で、トゥシューズを履いた白い人が群舞に加わります。すっごいなぁ。未來さんのトゥシューズ姿、初めて見ました。もの凄くキレイな姿勢でバレエを踊ってくれます。眼福眼福…。
    • その後、タップも踏んでくれたり、側転してくれたり、大盤振る舞いの白い人。いや〜眼福眼福。
    • その様子を見ていた木が嬉しそうにくるくると踊ってくれます。本当に心からの笑顔で楽しそうに…。
    • ここで林田先生がソロで登場します。WLでピエロのダンスが大好きだった自分としては、待ってました!!という感じで(笑)。いや〜本当に素晴らしいんですよ…。悲しく切ないんだけど、滑らかで力強い。んーー、何言ってるんでしょうか(笑)。
    • 星々の光がまたたき、そして消えていきます…。真っ暗闇の中で倫理(道筋)を欲する少女。木が指し示す北極星の瞬きに、迷いをかき消し安堵します。
    • 道筋を見出し、再び踊りだす藍の人。そこに白い人も加わりシンメトリーで踊ります。うはーー。もうここ大好き…。ヒップホップという言葉では収まらない、林田先生独特の振付けが本当に大好き…。カッコイイなんてもんじゃありませんよ!『ズッキュンズッキュン』のロボットダンスっぽいトコなんて、もうひたすらガン見(笑)。二人とも本当に素晴らしい!
    • そして満足したように踊る木…。くるくるくるくる本当に嬉しそうです。
    • 上手前方の少女が寒そうにしてます。すると、下手後方の影絵の少女(これは少女の内面、欲望?)もより激しく寒さを表現します。上手の実在の少女の内側にこんなに激しい欲望が渦巻いている…それを表現しているのかな?影絵の少女は喜始さん。WLで可愛い双子ちゃんだった彼女です。
    • 内側に燻りつつ、でもなかなか火がつかない橙の人。ここは義先生のタップです。小気味の良い音が出ないもどかしさを、火が燃え上がらないもどかしさと掛けてるのかな?結局鎮火してしまいそうなほど小さくなっていく橙の人たち…。
    • ここで木がマッチを擦り、自分の枝を燃やして少女に与えてあげます。燃え上がる炎に歓喜のタップ。ここで白い人も加わり、猛烈に燃え上がる炎を表現します。
    • ここで木に異変が起こります。右腕が突然動かなくなり、それを庇いつつ踊ります。表情も切なさが少し滲み出ていました…。
    • 少女が頭をかきむしるのはここだったかな?バラバラになりそうな自分を持て余してます。
    • 宇田先生と中川さんが登場。マイケルジャクソンの曲に乗り、Look at me!自分だけを見ろ!とひたすら訴えるバラバラな緑の人たち…。
    • ここで木は少女に自分の葉っぱを分け与えます。この葉がやがて大きな根を張り、大地を支える(協調)ものとして育ちます。
    • ここが分からないんだけど、なんで少女はクマのぬいぐるみを撫で回すんでしょうね?んーーー、難しいな…。
    • そして、白い人も加わりやたらと統制の取れたカクカクしたマイケル風のダンス。カッコイイーー!
    • 今度は左脚も動かなくなった木。でも、それでも踊り続ける木…。表情がまたなんとも言えず切ないのです。
    • 穏やかな表情で踊る赤の人たち。ここは中山陽子さんの振付けです。
    • それで満足していた筈なのに美しさを欲する少女。ここで、木は自分に実った林檎を少女に与えます。それでも物足りない少女…。
    • もっとよこせ!!と手や身体を叩き、鳴らす赤の人たち。白い人もいつの間にかその中に混ざってます。
    • 口紅の赤と林檎の赤。口紅を奪い合い、唇に塗りたくる赤の人たち。もちろん、白い人も衣装を赤の照明で染め、奪い合いに参加します。口紅を塗る仕草と、その恍惚とした表情がやけにエロイのは何故?(笑)
    • そして結局、赤の人たちの勢いにはじき出され赤のスポットからもはずれ、白く戻ってしまう白い人。呆然とした表情です。
    • ますます弱っていく木…。踊りたくても踊れ無い状態になっていきます。白い人がまるでその代わりをするかのように踊りだすのはここらあたりだったでしょうか?んーー、記憶が…。東京公演で確認します。
    • そして、影を象徴する者(安川先生)が上手奥に登場します。ここ、もしかしたら重要なシーンなのかもしれない…。
    • いきなり明るくなる舞台上。もちろん、客席もぐっと明るくなります。
    • そして、とっても不思議なパジャマ姿の3人(宇田先生、中川さん、星野さん)が登場します。ギリギリです、ここ。笑っちゃっていいの?とちょっと思っちゃったくらいギリギリです(笑)。だって黄色いパジャマで3人とも表情がいっちゃってるんだもの。
    • 宇田先生の姿は反則だと思います(笑)。あのぴっちり一九分けにした髪型と上着インのパジャマ…。ダメだ、思い出すだけで笑いがこみ上げてくる…。
    • 3人とも、優雅に、そしていっちゃった表情で踊るんですよ。
    • 踊ってる最中に何度も足の裏に鋲を刺してしまう中川さん。役者ですなぁ。本当に痛そうだぞ(笑)。
    • その鋲を白い人の膝や足の甲や足裏にねじ込む中川さん。白い人、うっすら笑っちゃってます。
    • ユーモアが欲しいと願う少女に、木は木漏れ日を与えます。黄色のスポットが当たった瞬間の星野さんの笑顔に場内爆笑。ものスゴイ武器をお持ちですね、星野さん(笑)。
    • 3人のパジャマたちに加わり、白い人もいっちゃった表情で踊ってくれます(笑)。いいねえ、楽しそうだよ君たち(笑)。
    • 3人が手を繋ぎ、カゴメカゴメ状態の中に入れたり入れ無かったりの白い人。遊ばれてますね(笑)。
    • 一緒に踊らない?と誘われても固辞する木。そりゃそうでしょ(笑)。
    • ここで影の存在がクローズアップされます。振付けは安川先生。
    • この影とは、今まで下手奥にいた少女の影を表現したものなのでしょうか?それともまた別の影?んーー、ここがなかなか難解なんだなぁ。
    • 白い人は唯一このシーンのみ登場しません。白い人は光の精なのかな?影とは共存できないってこと?
    • 影絵の中で美味しそうにタバコを吸う木のシーンから、失望が希望に変化していくんですが、やっぱりよく分からない…。むむむ…。
  • エンディング
    • 雨が降っています。突然下手から登場した白い人はその雨と遊んでいます。
    • 舞台中央奥に天蓋付きのベッドが登場します。そこに木が現れ、ふわふわの柔らかいベッドに横になります。あ〜本当に気持ち良さそう…。
    • ひとしきり雨と遊んだ白い人、何やら『ふぅーっ』と膨らませ、手でそれをパチンと割ります。その音で木を起こそうとしているみたい。
    • 何度起こそうとしても、ベッドから起き上がらない木に業を煮やした様子の白い人。七色の光を操り、木の興味を惹こうとします。それにまんまと釣られる木(笑)。
    • 二人の光の争奪戦が楽しい楽しい。
    • すっかり動けるようになった木は、白い人と楽しそうに踊ります。うん、良かったね。本当に良かった。
    • 虹の架け橋を渡っていく木が軽やかで楽しげで。とても幸せな気持ちになれます。でも白い人はなんだか少し寂しそうで…。切り株に座り俯きます。
    • 切り株に水をやる少女。そして虹を見つめる二人…。
    • ここで幕です。でも、なんとなくこの終わり方が分かりづらく、拍手のタイミングがなかなか掴めない(苦笑)。
  • カテコ
    • それぞれの色を纏ったダンサーたちが順に登場します。途中から白い人がその象徴するダンスで紹介します。ここ、カッコイイ!
    • 神戸楽では、未來さんの挨拶がありました。『ありがとうございます。神戸で公演が出来て本当に嬉しかったです。まだ東京公演がありますので、気を引き締めて(ここでちょっと噛んだ(笑))、頑張ります。今日は沢山の方に来ていただいて嬉しかったです。ありがとうございました。』と、声を張って喋ってくれました。うん、その笑顔を見ることが出来て私も本当に嬉しいよ。
  • まとめ
    • とりあえず色々解釈はしてみたけど、これが正解とは限らないし、観た人それぞれ自分なりの解釈が出来る舞台なんだろうなぁと思います。あまり考えすぎずに、見たままを自分の感覚で捉えられたら、それはそれで良いんじゃないかと…。
    • とにかくこんなに踊りまくる未來さんは久しぶりに見ました。やっぱり踊る未來さんが一番好きかも…と思ったり。いや、歌もお芝居も好きなんだけどね(笑)。
    • 基本的に其々のシーンは規則正しい出来事の並べ方で物語が進んでいきます。少女の欲すること→木の施し→その結果…という感じに。こんなことを書くのは本当におこがましいんだけど、この並べ方にもっと起伏があったら(どんな風にとは提示できないんだけど)、変化が楽しめてより面白くなったりするんじゃないかな?いや、今のままでももちろん楽しいんだけど、ね。
    • んーー、差し出がましくってごめんなさい。
    • 照明が本当にキレイでした。WLの時も感じたけど、照明も舞台芸術において大切な要素なんだよなぁ…とあらためて思ったり…。時々ダンサーの表情が見えないほどの薄暗さが気になったけど、あれは敢えてそうしているのかもしれないですね。
    • WLと比べて、振付けの完成度が上がっているような気がします。いや、私ごときにそんなこと言われても…という感じでしょうけど(苦笑)。
    • とにかく大満足の神戸公演でした。カンパニーの皆さま、本当にありがとうございました。あと一週間。手ぐすね引いて東京で待ってます!

*1:肩口から背中を通り膝裏くらいまでの長さのドレープ上の布が羽衣を思わせます。天女?(笑)いや、妖精の羽根かな?

*2:土曜日ソワレの有り得ない席の時に確認しました。